イケてる人事部 みんなのQ&As

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Q&As 【1on1】

Question :

近年個人情報や色々なことが足かせになり、どこまで聞いてよいのかと戸惑います。

ハラスメントへの対応をどうしたらよいですか?

(2022/7 A市 管理職)

Answer : 

ご質問ありがとうございます。
ハラスメントとは、相手が嫌がることをして不快感を覚えさせる行為全般の
ことを意味し、労働関連ではセクシュアルハラスメント(セクハラ)や
パワーハラスメントパワハラ)が大きな問題になっています。実際に、
総合労働相談の件数は13年連続で100万件を超える( 2021年度調べ)など
高止まりな状況です。

ですが、1on1どにおいて、業務上で必要な情報を聴くことは
リーダーとしての大切な役割の一つです。まず前提として、アイズプラスで
お伝えしている1on1は基本姿勢として業務の進捗確認よりも、
メンバーの近況・状況・価値観・楽しんでいること・夢中なこと・困っていること
など、その個人のことを「聴く」を目的にしています。その上で、私が1on1を
ハラスメントが起こる場にしないための注意点を3つご紹介します。

  1. 仕事で必要なことの範囲を明確にする
    業務のことはもちろんですが、チームとして一人ひとりの力を最大限発揮するには「人」に関わる部分をどの程度必要と考えているでしょうか?基本的な考え方を明らかにしておきます。
    例えば、「業務上必要なことはもちろんですが、互いを知ることがチームをつくる上で大切です。なぜなら 相手の価値観、考え方、将来の展望、現在の状況などを知ることでよりその人が働きがいを感じ、働きやすくなるからです」など、リーダーとしての考えを示してください。業務上必要なことの範囲、仕事を円滑に進める目的があることを、きちんと伝えます。業務に必要なことはハラスメントには本来あたりません。

  2. グランドルールを明確にする
    とはいえ、相手を知るといってもリーダーが知りたい範囲とメンバーが伝えられる範囲には違いがあることもあります。私は以下のようなグランドルールを設けて、ミーティングをしています。
     ・本音を語る
     ・でも言いたくないことは言わなくていい 

    そう、「言いたくないことは言わなくていい」のです。
    強制された状態で言いたくないことをいうことが、ハラスメントにつながってしまうのですから。

  3. 「聞く」から「話す」にする
    個人的なことなど、どこまで「聞いて」いいか悩みますね。
    アイズプラスでお伝えしている1on1は、メンバーが話すテーマを選ぶ
    形をとっています。リーダー(上司)がテーマを選ぶのではありません。
    自分で選んでいただくので、自分が言いたくないことは話さないことになります。相手が話したい、伝えたい、聞いて欲しいことをテーマに、リーダーは「聴く」を徹底しましょう。

1on1メニューには、メンバーが自分から話たい自分のことの他に、
「リーダーにも聞いてみたい」ことも入っています。中には、1on1の時間に
仕事のことを話したい方も、リーダー自身の経験を聴いてみたい人もいます。
これらの質問がフラットにできる関係性をつくることが、ハラスメント等にならない1on1をつくっていきます。
(ご参考までにワークショップでご紹介した1on1テーマリスト 2023年度版です)


ハラスメントは「不快感」が決めてとなり、
感情の行き違いが課題となります。
良かれと思って聞いたことが、相手の不快感を生まないよう
相手を尊重し、気持ちに配慮したコミュニケーションをとっていきましょう。 

 

(アイズプラス 池照)