Question :
定年を超えて再雇用された方が多い、職場環境です。中には、収入の激減に伴い意欲の低下が顕著な方もおられます。それが職場内にも伝わってしまっています。
収入の問題をカバーするような意識・意欲の向上について何か良い方法はありますか?
(2021/1 日系メーカー 管理職)
Answer :
とても難しい問題ですね。
調査によると、60代前半の継続雇用の男性中、90%は収入が定年前より減少しており、収入の減少率が大きいほどモチベーションも下がる傾向があるといわれます。
この世代の方々の価値観の中に、経済的な収入額の指標があり、この収入が会社からの給与額そのものに依存していたことと比例しています。
人生100年時代と叫ばれる中、定年後の人生は平均寿命を鑑みても20年はあります。この20年を何を拠り所に過ごすかは、人それぞれですが、私は2つのポイントで意識・意欲の向上に関われると思っています。
■一つ目は、「ノーブルゴールの追求」です。
ノーブルゴールとは、自分の道標となる目標や目的、問いのことで、個人のミッションやビジョンのことを指します。
会社という枠を外し、人生をかけて達成したい、または大切にしたいノーブルゴールを描き、そこに日々の行動の選択を結ぶつけていくことが「ノーブルゴールの追求」です。
このような大きな目標や大切にしたいことを各自が少し明確にすることで、意識や意欲が高まります。
→ 少しトーンは異なりますが、ノーブルゴールの追求に関してブログに書いておりますのでご参考ください。
■二つ目は、このようなノーブルゴールの追求に活かせる視点で「ポータブルスキル」があります。
ポータブルスキルは厚生労働省が提唱する概念で「業種や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力」のことです。
大きくは「仕事の仕方」と「人との関わり方」の2領域があり、このうち人との関わり方については、今回皆さんと一緒に学んだEQ(感情知性)でカバーされます。
ご存知の通り、EQは後天的に開発が可能ですので、シニア世代からも磨くことができます。
他社の事例ですが、シニア社員に対し、“ポータブルスキルを鍛え、会社を卒業しても社会で活躍する力をつける”ワークショップを開催しています。
会社内の視点から、より広く社会視点をもち、個人が培ってきたスキルをより広く活かす可能性や広がりを考える機会の提供が、意識や意欲の向上につながります。
(アイズプラス 池照)