イケてる人事部 みんなのQ&As

EQ、人材・組織開発に関するQ&Aを集めたイケてる人事部 ブログです

Q&As 【部下マネジメント/1on1】

Question :

メンバーの本当のやる気、働きがいを掘り出すために、相手の気持ちに入り込む、相手に自然に受け取って貰えるコツのようなものありますか?

(2023/2 日系メーカー 管理職)

Answer : 

メンバーの本当のやる気、働きがいを掘り出すには、まずご自身の「本当のやる気」「働きがい」を自己開示することです(EQI素養では「オープンネス」)。

リーダーとしてオープンネスを高めることは、組織の心理的安全性を高めることにつながります。
まず自分が開示する、そこから相手も同調して開示してもらうのが、自然な流れと言えると思います。これが一番のコツです。

該当するメンバーだけでなく、チームのやる気や働きがいを把握していきたい場合は、以下のような方法もあります。

① ミーティングや1on1のチェックインに「Mood meter」を使う。

Mood meterはエネルギーと感情のレベルを主観的に示すYale大学(米国)で開発されたツールです。自分の心身状態を自分で示すことから、その後の会議などで自らのことを発しやすくなります。

② 「1on1」をしっかりと丁寧に実施します

「相手を知る」ことで、関係性が強化されます。メンバーがテーマを選び、相手が選んだ話をしっかりと「聴く」ことで、本人のやる気や働きがいなどに結びつくお話が多く聞くことが可能です。

あなた自身はどんな時に、ご自身のやる気や働きがいを自然に伝えられますか?

ご自身のケースや、ピアグループのメンバーからも聴いていただき、ぜひご自身なりのセオリーを構築されていってください。

 

(アイズプラス 池照) 

Q&As 【EQについて】

Question :

「共感的理解」がいまいちピンときません。同情や感情移入とは違うとは、思っていますが、、、

(2023/2 日系メーカー 管理職)

Answer : 

「共感的理解」は確かに視点が難しいですね。

まずは、あらためて定義からご紹介します。
共感的理解とは、“自分以外の人の感情を理解しくみ取っていこうとすること”です。

私はここに、リーダーとしての期待役割として、“相手の期待を汲んで行動する/一緒に行動する”をお伝えしています。

よって、おっしゃる通り、共感的理解は同情や感情移入だけでなく、それを超えて“相手の期待を組んでアクションを起こしているか、が視点となります。

ここでリーダーとして大切なことは、「相手の気持ちを汲む」ことで相手と同じ目線で接しはしますが、相手の感情に影響受けすぎないことです(EQI素養では「感情的被影響性」を指します)。

私達リーダーは、相手が目指す方向を一緒に見て相手が次に必要な行動、情報、支援を提供しますが、相手に変わって彼・彼女の課題を解決することはしません。

あくまで気持ちを汲み取り、相手の成長や本心で欲していることを察知して行動を選択するのが私たちの役割だと思います。

WSでは、以前に女優安達祐実さんが主役を演じられたTVドラマ「家なき子」から、彼女の名台詞「同情するなら金をくれ!」をご紹介しました。

あのセリフは、「同情はいらない、同情をこえた共感的理解を示す行動が欲しい!」と訴えていたのではないでしょうか。私自身がいつも、「共感的理解」を振り返る際に思い出すセリフです。 

 

(アイズプラス 池照) 

Q&As 【チームマネジメント】

Question :

一度崩れた人間(信頼)関係を再構築する方法について、アドバイスをお願いします。

(2023/2 日系メーカー 管理職)

Answer : 

“一度崩れた”ということは、もとは信頼関係があり、それが“崩れた”と感じていらっしゃるのだと思います。

“崩れた”理由はこちらでは読み取れませんが、相手がチームのメンバーや仕事の関係者として同じ目標や目的に向かいチームとして一緒に成果を出すメンバーとして、想定していきましょう。

  1)まず貴方と自分が同じ目的を共有し、一緒にチームとして仕事を遂行する
    メンバーであることを前提として伝えます。また、あなたが何かの理由で
    「信頼関係が崩れた→再構築したい」と思っていることを伝えます。
  
  2)「信頼関係がある状態」とは貴方にとってどのような状態を指しますか? 
    相手から期待する言葉やミーティングでの雰囲気や行動など書き出して
    みてください。

  3)その上で、あなたが想う「信頼」をつくる姿勢や行動にはどのようなもの
    があるでしょうか?ご自身が思う「信頼をつくる姿勢・行動」はご自身では
    その方を含めチームに発揮できているでしょうか? または、より発揮した
    方がよい姿勢や行動は見つかりますか? 下記は過去に私の講座で「信頼」
    をテーマとしたWSで出されたものです。参考にしてください。

  4)3)で選択した行動を実際に相手やチームに対し発揮し、定期的に1)を伝えながら関係性を再構築していきます。

 

(アイズプラス 池照) 

Q&As 【EQについて】

Question :

自分ではできていると思っていた項目の数値が低かった場合、「自分ではできていると思っているだけで、実はできていない」と受け取るべき?

(2022/10 日系メーカー 管理職)

Answer : 

EQIスコアの数値は、「行動の量」を表しています。そのため、スコアが低い=行動量が少ないという検査結果になります。ワークショップでは、「検査結果を妄信しない」ということもお伝えしました。

なぜならこの検査は、

1)セルフアセスメント(自己診断)であり、

また、

2)皆さんの日々の活動を表せている訳ではないからです。

そのため、皆さんには、この検査結果をベースに自己理解を進め、周囲からのフィードバックを得て欲しいというお話をさせてもらいました。

20世紀における最も優れた経営者と呼ばれるジャックウェルチ氏は「なぜ貴方は最高の経営リーダーと言われるまでになったのか?」の質問に対し、「自己認識を訓練しているからだ。自己認識とは自分の感情、長所、短所、欲求、衝動を深く理解すること」と答えています。

自己認識は自分が認識する自分(内的)と周囲が認知する自分(外的)の2つがあります。

このプログラムは、皆さんの自己認識を高めることににも活かされると確信しています。

 

(アイズプラス 池照) 

Q&As 【チームマネジメント】

Question :

心理的安全性との関係が、イマイチしっくりこなかったです。

(2022/10 日系メーカー 管理職)

Answer : 

心理的安全性を高める唯一解は世の中に存在しないらしく、多くのリーダー/組織が自分たちの特性理解を進め、強みを見出し、自分達なりのトライ&エラーを重ねながら進めていると感じています。

それでも、「高められている」と実感しているリーダーの方々からお伺いすると、私なりにまとめられる共通点もあります。

一つ目は、リーダー自身が心理的安全性を高めることの意義・意味を理解していること

二つ目は、リーダー自身が自分の特性(強み)を認め、個の違いを見出していること(それが、互いの違いを尊重し安心して違う意見を出していい空気がチームに伝わっている)

三つ目は、リーダー自身が「行動」を変えて色々「やってみている」こと

皆さんは、心理的安全性を高めることでどのようなチーム(組織)づくりを目指しているでしょうか?

このプログラムの目的の一つは、各自の「セオリー」を見える化し、ご自身の影響力発揮を起点に組織的な「ありたい姿」に向けて行動を起こすことです。

今回のワークショップでは、ご自身起点の「行動」についてEQをベースに自己理解を進めていただきました。

 

(アイズプラス 池照) 

Q&As 【その他】

Question :

ダイバーシティ自己採点、心理的安全性の得点も比較的高い組織にいますが、離職率が異常に高いです。解決策はありますか?

(2022/10 日系メーカー 管理職)

Answer : 

ダイバーシティの自己採点はご自身でつけたもの、心理的安全性の検査は御社の組織的な診断でしょうか?

離職率が高い場合、いくつかの要因が考えられます。
私たちが現場でリーダーとしてできることには、以下が考えられるかと思います。

・1on1面談 :
一人ひとりと時間をとり、話を徹底して聴きます。私のお勧めは、時間を短く(20-30分)、相手が選択するテーマで毎回話を聴き切る方法です。

多くのメンバーがいる場合、時間もかかりますが継続することで一人ひとりが感じる「心理的安全性」が高まり、課題と感じることなどが把握できる可能性が高まります。

鎌倉市役所での事例を私のブログご紹介していますので、ご参考ください。
→20分1on1ミーティング@鎌倉市役所

鎌倉市役所では、関係性スコアが向上し、活動も継続されています。

isplus1.hatenablog.com

・会議のファシリテーション :
メンバーの皆さんが集まる「会議」のファシリテーションに工夫を加えることで、会議を情報集収集・人材育成の場にしていくことが可能になります。

・より本音を引き出す :
会議スタート時に Moodmeterで全員がチェックインする(これにより、一人ひとりの感情/体調状態を把握しながら声かけが可能です)

・意見が出にくい場合 :

テーマについて各自が手元に意見を書き出し、それを「読んで」もらいます。意見が出しくい方でも、「書い出して読む」ことで一人一つ意見や視点を発信するトレーニングになります。

 

(アイズプラス 池照) 

Q&As 【部下マネジメント】

Question :

最近モチベーション不要論の話をよく見かけるのですが、いかが思われますか。

(2022/7 日系メーカー 管理職)

Answer : 

モチベーション不要論という考え方があることを、あまり存じ上げませんでした。

モチベーションとは、以下の図のように主に個人がもつ動機付けややる気を指しています。

私個人は、モチベーションで業績が上がる訳ではないが、モチベーションマネジメントでパフォーマンス向上をつくりだすことが可能と捉えています。

モチベーションそのものは、個人が感じるやる気や動機に由来するものが多く、確かにモチベーションが高い人が、必ずしも業績を上げる訳ではありません。

ですが、一人ひとりがもつモチベーションの源泉を理解し、一人ひとりの「個」の違いに対して関わることでモチベーションがポジティブに変化します。そのため、私個人はモチベーションは知って活かす価値があると感じています。

ぜひ皆さんも、ピアググループ内などで議論されていただくと良いと思います!

 

(アイズプラス 池照)